笑うこけし

ヒャーッハッハッハッハ

嫁姑問題に疲れ果てた過去

私が生まれた頃から、母とばあちゃんは仲が悪く、口を聞くことはありませんでした。嫁姑の関係といえば、姑が一方的に強いイメージがありますが、私の家の場合は違います。

犬猿の仲

ばあちゃんが圧倒的に弱いのです。というのも、ばあちゃんは自己主張が苦手なタイプで、嫌なことがあるとノートに書き留めてストレスを消化するような人でした。

 

私が生まれる前に、たまたまそのノートを母が読んだらしく、そこから冷戦がはじまったのです。

 

しかし、どちらかというとばあちゃんは母に対して多少は友好的で、時おり話しかけます。ですが、母は悪口ノートを許せず、完全に無視をするのでした。しかもばあちゃん側の親戚一同も全無視するほどの勢いです。

 

犬猿の仲となる経緯を知らなかった僕の視点からは、母が一方的にばあちゃんをいじめているように見えます。

 

子供の頃は、2人の関係に気を遣って過ごしていましたが、反抗期に入り、なんで自分が気を遣わなければならないのだろう、と疑問に思い始めました。

 

私はおばあちゃん子でばあちゃんが好きだったこともあり、母に対して、ばあちゃんの代わりに喧嘩したこともあります。

 

ばあちゃんは直接人に文句を言えない性格なので、なにかあるとすぐに母のせいにします。例えば、自分の茶碗がなくなると「おっか(母のこと)の仕業だべ」というように悪口を言うのです。大抵の場合は、自分でどこかにしまい忘れただけなのですが(笑)

 

また、家のガスコンロの火を消し忘れてしまうことが多いので、火事を防ぐためにIHに変えた時も使い方が覚えられず、「おらに料理させないために変えたんだ」などと被害妄想のようなことを言う一面もあります。

電子レンジ

その後、壊れたので電子レンジを買い換えました。

 

ある時、コンビニ弁当を買ってきて、一緒に食べることになりました。ばあちゃんが「電子レンジで温めるか?」と聞いてきたので、「うん」と答えると、キッチンへ弁当を温めにいきます。

 

時間が経ち、弁当を持ってきてくれたのですが、全く温まっていません。ばあちゃんが言うには、「おらに温かい弁当を食べさせないために、おっか(母のこと)が電子レンジに細工したに違いない」とのことです。

 

さすがにそんなわけないと思いましたが、確認のためにばあちゃんと共に電子レンジに向かいます。そこでばあちゃんに温める動作をやってもらいました。

 

ばあちゃんはレンジに弁当を入れてボタンを押します。確かに作動しません。ばあちゃんは「ほらね」と言わんばかりの憤怒の表情です。

 

僕は、本当にそんな嫌がらせをしたのかと母を疑いました。なんてひどい人なんだと思ったのです。

 

しかし、よくよくみてみると、ばあちゃんは電子レンジの「スタート」ボタンではなく「取り消し」ボタンを連打していたのでした。

 

そんな抜けたところがあるおばあさまなのでした。