「伝え方が9割」から学ぶ2つの伝える技術
突然ですが、みなさんは人に何かを伝えることは得意ですか?
ここではコピーライターである佐々木圭一さんの「伝え方が9割」という本を紹介させて頂きます。
著者の紹介
佐々木さんは人と話すことが苦手な少年だったといいます。ですが、コミュニケーション能力を高めたいと思い、大手広告代理店に就職、コピーライターとなりました。
最初は苦労したそうですが、ある時、印象に残るコトバには法則があると気がつきます。そして、その法則を使うようになってから数々の賞を受賞しました。
さらにケミストリーさんや郷ひろみさんのプロデューサー達から作詞のオファーがきて、アルバムがオリコン1位になったり、日本人クリエーター初、スティーブジョブズのおかかえクリエイティブエージェンシーへの留学生にも選ばれたそうです。
佐々木さんは言います。伝え方には技術があり、誰にでも習得可能だと。この本ではその技術について紹介しています。インパクトのあるコトバの法則を理解し、意図的に作り出せるようになれば、誰でも人の心を動かすことが出来るようになります。
伝え方の技術を学び、人を動かすことのできる回数が増えれば、私たちの人生は良い方向に向かうでしょう。
伝え方の技術は大きく分けて2つ
伝え方の技術は大きく分けて2つあります。ノーをイエスに変える技術と強いコトバを作る技術です。それぞれ紹介していきます。
「ノー」をイエスに変える技術
ノーをイエスに変える技術には3ステップあります。
- ステップ1 自分の頭の中をそのままコトバにしない
- ステップ2 相手の頭の中を想像する
- ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる
の3ステップです。
ステップ1 自分の頭の中をそのままコトバにしない
ストレートに自分の思いを伝えることで、うまく行くことも世の中にはあります。しかし、なんでもかんでもストレートに伝えるのはギャンブルと同じです。
YESと言ってもらう確率を高めるためには、自分の頭の中をそのままコトバにしないことが大切です。
例えば、好きな人がいます。でも、その人はあなたに少しも興味がありません。その時に、「デートしてください」とストレートに言うと断られる確率が高いでしょう。
ステップ2 相手の頭の中を想像する
そこで一旦伝えたいことから離れて、相手の頭の中を想像します。何が好きか、何が嫌いか、どんな性格か、相手の基本的な情報を思い出すのです。
例えば、「初めてのものが好き」「食べ物はイタリアンが好物」という情報を思い出します。
ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる
相手が「初めてのものが好き」「食べ物はイタリアンが好物」であるなら、それを満たすコトバを作ります。
「驚くほど旨いパスタの店があるんだけど行かない?」
このようなコトバに作り変えることで、「デートしてください」ではNOだったかもしれない答えがYESになる可能性が高まります。
なぜなら、相手にとってみたら、驚くほど旨いパスタの店に行くことは相手のメリットだからです。
一番難しいのはステップ2の相手の頭の中を想像することだと思います。そのための切り口もこの本の中で紹介しているので是非読んでみてください。
「強いコトバ」を作る技術
続いて、「強いコトバ」を作る技術を紹介します。
強いコトバとは人の感情を動かすエネルギーのあるコトバです。強いコトバには5つの法則があります。
- サプライズ法
- ギャップ法
- 赤裸々法
- リピート法
- クライマックス法
です。
サプライズ法
1つ目、サプライズ法は超簡単ですがプロも使っている技術で、
「!」
「びっくり」
「そうだ、」
「ほら」
「実は」
「凄い」
「信じられない」
「あ」
などです。
使い方は、
- 伝えたいコトバを決める
- 適したサプライズワードを入れる
となります。
「そうだ、京都にいこう」有名なコトバです。
これにサプライズワードがなかったら、「京都にいこう」となります。
やはり、「そうだ」があった方が強く印象に残りますね。
サプライズワードは自分が驚いた時に出てくるコトバですが、自分が驚いた時ではなく、相手の心を動かしたい時に使うのがサプライズ法となります。
ギャップ法
ギャップ法は反対のコトバを用いる技術です。
例えば
「考えるな、感じろ」
「死ぬことに意味を持つな。生きるんだ!」
「ちっちゃな本が、でかいこと言うじゃないか」
「別れることがなければ、めぐり逢うこともできない」
「マフィアが少年聖歌隊に見えるほどの巨悪組織」
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」
です。
使い方は、
- 最も伝えたいコトバを決める
- 伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れる
- 前半と後半がつながるように、自由にコトバを埋める
となります。
スタート地点を下げ、言いたい意味にギャップを作ってあげると強いコトバとなるのです。
赤裸々法
あなたの脳裏に焼き付いて離れないコトバがあると思います。
「あれから思うように 息ができない」
「息を切らしてさ 駆け抜けた道を」
「朝、目が覚めるとなぜか泣いている」
「眠気で重いまぶたをゆっくり持ち上げた瞬間、眼球が飛び出ると思うくらいの衝撃を受けた」
などです。
使い方は、
- 最も伝えたいコトバを決める
- 自分の体の反応を赤裸々にコトバにする
- 赤裸々ワードを、伝えたいコトバの前に入れる
です。
2が一番のポイントで普段は感じてもコトバにしないようなことをコトバにすることです。
赤裸々法はあなたのコトバに、体温を感じさせ、ときに詩人のようなニュアンスを作り出すことのできる方法となります。
リピート法
リピート法は相手の記憶にすりこみ、感情をのせる技術です。
「さいた さいた チューリップの鼻が」
「桃太郎さん 桃太郎さん お腰につけた」
「まいにち まいにち ぼくらはてっぱんの」
使い方は
- 伝えたいコトバを決める
- くり返す
です。
日常でも絶大な効果を発揮します。
「うまい」よりも「うまい、うまい」の方が心からそう思っている印象になります。
クライマックス法
あなたが伝えたいと思っている相手に「これから重要な話が始めるんだ、ちゃんと聞かなくては」と思わせる技術です。
「これだけは覚えて欲しいのですが、」
「ここだけの話ですが、」
「ワンポイント・アドバイスですが、」
「3つのコツがあります、1つ目が、」
などです。
使い方は、
- いきなり「伝えたい話」をしない
- クライマックスワードから始める
です。
ココだけの話ですが、私はカレーが好きです。と言う方が、ただカレーが好きです。というよりもより好きそうに感じますよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この本には、今回紹介した大まかな2つの技術を補足する、相手の頭の中を想像するためのとっておきの切り口7選、ふせんマジック、10分で「強い長文」を作る技術なども紹介されています。
読みやすくとても面白い本でした!